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北京原人と火の授業 ・・1時間

 @子どもたちの感想 
      ・
      ・「私は、科学者の人たちはすごい人たちだと思いました。
        (北京原人の)歴史を、どんどん解いてしまうので、
        まだ掘っていないところも早く解決してほしいと思います。」
                           (ゆかりさん)(小6)


 Aねらい
      ・昔の人々が、火をどんなふうに使ったか、想像する。
      ・火を使うことで、どれだけ人類が進歩したのか、その恩恵、生活の変化を考える。


 B準備     
      ・写真のような教具を用意すると良い。
      ・一番欠けてはならないのは、灰の写真。これが、歴史が架空のものではないという
       驚きと、楽しさを引き出すもの。
      ・他の教具については、私たちが作りだしてきたものなので、作りたい方、手に入れたい方は
       質問のページで問い合わせてください。(人類模型の原型コピーは販売しています)
      ・北京原人実物模型は、等身大の物。ベニヤに貼って切り抜いてあります。握手も背比べもできます。
      ・ここにのせたブリアンの絵は、すべて模写です。絶版になっている本も多いが、
       図書館に行けば、チェコのブリアンの本は、何冊か見つかると思います。ぜひ、カラーで
       見せてあげてください。
      ・400万年を20mにした年表は、色画用紙を貼り合わせて作るのが良いが、障子紙でもいい。

北京原人実物模型

ベニヤに貼った物。原型はNHKから。

周口店の灰の塊

火を使用した証拠。地層の中から発見

周口店の地層

洞窟に何mもの灰が積み重なる

焼けた骨

肉を焼いた証拠。鹿のあごの骨が大量に

火を使った狩り

ブリアンの想像図
火を使い追い込む

火で固くする

槍の先を焦がして、固くして使う

山火事から

勇気をもって、種火を取りに行く。


人類の年表

400万年を20mで表した年表。北京原人の出現したのは、最後の2,5m前。














 Cポイント
      ・北京原人が火を使っていた証拠は何だろうかと、考えさせるのが一つ目のポイント。
      ・もう一つのポイントは、授業の最後に、人類は火をどう使ったか、子どもたちが想像すること。
      ・時間をかけて、自由に想像させてほしい。
      ・そして、その「証拠」があるということに、子どもたちは、驚き感動する。
       歴史を好きになるきっかけになるだろう。
      ・ちょっと違うんじゃないかと思う意見も、「そういうこともあるかもしれない」と
       ほめておく。案外子どもたちの想像の方が正解という場合も多い。
       自由な発想をしなくなってしまうし、二度と意見を言わなくなるので、まちがいと決めつけない。
      

 D授業の流れ
分  発問  子どもの活動   教具・資料
5分







10分
























15分






















































20分




















今日は人間と火についての勉強をしよう 
人間はいつごろから火を使いだしただろう

そう、とても昔。正確に言うと今から60万年前と言われています。
あとで、年表で見てみようね。
使いだしたのは、中国の北京原人と呼ばれる人々です
その人に、登場してもらいましょう。
さて、この北京原人が火を使ったと、科学者の人たちは、なぜ火を使ったということが、わかったのだろうか?
科学者の人たちは、もちろんでたらめに考えているのではなくて、証拠をもとに推理するんだね。
どんな証拠があったんだろうか?



うん、掘って行ったら、見つかったんだね

そうそう、たくさんいろいろなものが出たのだけれど周口店という遺跡の中で出てきた一つがこれです
(灰の塊の写真を見せる)

その通り、灰のかたまり。
周口店の洞窟の中で見つかった灰。何mも積み重なっていたらしい。
洞窟の中には、山火事の火も自然には入って行かないから、人間が使った跡だと考えられているらしいよ。
これが、その洞窟を掘って行った時の断面図。
灰の中には、焼けた石や骨もあったらしい。

証拠がわかったところで、次はどんなふうに、北京原人は火を使っただろうか?想像してみよう

うん、いい意見が出てきたねえ。
もっとないかな?


うん、じゃあ、出た意見をまとめてみよう
@あたたまる
A夜の明かりにする
B料理
C夜の動物よけ…襲われないように
他にもあるんだよ
D火を使った狩り
E火で焼いて、棒の先を固くし、槍のようにする。
なんていうことも考えられているよ。
それぞれ、そうやって使っていたのではないかというある程度の証拠があると思います。
そのうち、周口店で発見された火を使った層で発見されているのが、この動物の骨。シカの骨らしい。
焼けていて、たぶん肉を焼き、かじって食べたのだろうという証拠です。

あとは、発掘して、出てきたいろいろな物をもとに、想像して、復元の絵をかいてくれた人がいるので、その人の絵を見てみましょう。
チェコという国で活躍したブリアンという人の絵です

いろいろ考えてみると、想像できるでしょう?

これはね、がけで、火を使って動物を追い込んで、けがをさせて捕まえてるところ。
こちらは、火を使って、槍の先を固くしているところ
上手でしょう?

さて、こうして火を使ったのは、動物の中で人類だけだけれども、最初の火をどうしたか、どう思う?
火をどこから持ってきたのだろう?
それを、やっぱり、ブリアンさんが、書いてくれた絵があるんだね。
最初のころの様子を想像した絵があるから、見てみよう
山火事は、怖いけれど、近寄って、その火を持ってきた人はきっと好奇心旺盛で、勇敢だったのかもしれないね。




さて、北京原人は今から60万年前に生きていた人々だったけれど、今のところ、それ以前の人々は、火を使っていなかったの。
火を使ったのがいつごろか、人類全体の年表で見てみようか。
これをちょっと広げて考えてみようね

北京原人が暮らしていたのはこの頃です。
だから、これ以前は、全然火を使っていないころ、
そして、この後は、火を使ったとみられています。




こうやって、人間は火を使って生活を豊かにしていったんですが、火のない時代と比べて、よくなったところはどんなところか考えてまとめよう。
ゆっくり考えて良いよ。







そういう形で、山火事から火を持ってきた人類の祖先の行動が、私たちの生活に大きな進歩をもたらしたことがわかるね
それを知ると、ちょっと、原始人と言って、馬鹿にしていた人たちも、実は、すごいご先祖様だったということが解るんじゃないかな?


・大昔
・縄文時代・・・何万年も前

・どのぐらい前かわからない

・北京原人? 原始人?


・なんでかなあ?

・証拠?
・なんだろう?
・燃やしたあと?
・土が焼けていた?
・火事のあと?
・灰があった?



・何?これは
・やっぱり灰?

・赤っぽいね




・すごい
・ずっと燃やしたのかな?


・寒い時、あたって温まる
・火を使って料理する

・夜たき火にする
・暗いと困るから火をたく
・動物が来ないようにする







・狩りにも使うの?
・どうやってかな?
・火を使って追い込むのかな
・やってみたい
・難しいんじゃない?


・そんな骨があるんだね





・昔の人だ!
・これは何してるの?
・動物は?



・すごいわかる





・火事?




・こわそう
・熱いかもしれない
・よく持って行ったね
・やけどをする人も出たかもしれない




・すごく長い
・教室一周する?
・北京原人はどこなの?



・じゃあ、火を使ってないほうが、長い。
・ひえーっ、生でずっと肉食べてたの?




・火が使えるようになって、寒い時にも温まるようになった
・火を使うようになって料理で病気になる人は減った
・ものすごい進歩だね
・平均寿命も延びたんじゃないかな

 






北京原人の模型













灰のかたまりの写真



灰の層の図




























焼けた骨の写真



チェコのブリアンの想像図(模写)











山火事と北京原人の絵














年表
北京原人の出現がわかるように印をつけておく






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人間の歴史の授業を創る会

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