5月3日
5月2日に、申し込み先から、蚕の卵が届きました。
昨年度は、群馬県蚕糸研究センターが、窓口となっていましたが、
今年は、蚕種は、群馬県以外には、
出さないことになってしまいました。
そこで、インターネットを通じて、業者から
2000円で、学校で購入しました。
( http://kaikokau.jp)
送付元からの注意書きをそのまま書きます。
「下記の保護とご注意を願います。
・温度は25~26℃湿度はできるだけ高くしてください。
・郵送箱から大きめなプラスチック容器に移し、新聞紙等を湿らせ、
卵の周囲に置き、ふたをして保湿してください。
ただし、直接水が卵に触れないようご注意ください。
・直射日光を避けた室内で、エアコンの風などが当たらない場所に置いてください。
・卵は重ならないように並べたあとは、触らないようにしてください。
・全部の卵が孵化するには、2~3日かかります。
・最初の日に孵化した蚕は、湿度があれば、そのまま翌日まで大丈夫です。
2日目に残りの卵が孵化したら、エサを与えてください。成長がそろいます。
・蚕がいる部屋では、タバコや蚊取り線香、殺虫剤を使用しないでください。
・飼育開始予定日=5月10日~ 保護状態により、予定日が前後する場合があります」
昨年の卵
1年間、ビニール袋に入れて、保管しておいた卵も ,
4月30日に冷蔵庫から出しました。
約10日ほどで、蚕の子ども=毛蚕(けご)になります。
紙箱の中に入れておく
紙箱の中に入れておくと
いいようです。
孵化までのようすを見守ります。
乾燥しないように気をつけて。
紙の箱
ちょうどいいのは、
贈答品のお菓子が入っているような箱。
それを、蚕の赤ちゃんの時から、
ちょっと大きくなるまで使います。
5~6箱、用意して、準備しておくといいでしょう。
(ただし、何匹飼うかにもよります)
5月11日
朝6時 生まれそうな卵
グレーがかった卵が、黒っぽくなってきて、
生まれそうなようすです。
1000匹、送られてきましたから、卵も1000個。
生まれかかった卵
半分身を乗り出し、生まれかかっている蚕の赤ちゃん。
朝7時、なんと、撮影中に続々誕生。
写真を撮影していたら、1時間しないうちに、
7時前に続々誕生。
赤ちゃんの蚕が見えますか?
これ以上拡大ができません。
毛蚕(けご)
ようやく拡大してみて、この大きさです。
指でつかめませんから、手で直接はさわりません。
葉っぱを使ったり、紙を使ったりして、
移動させたり、箱に移し替えたりします。
桑の葉をあげます。
もう、さっそく桑の葉を与えます。
上に置くだけでいいです。
まだ、桑の葉もやわらかいので、
どこをあげてもOKです。
なるべく乾燥しないように、
でも、そんなにたくさん必要ありません。この程度。
桑の葉の保管
桑の葉が、少し干からびてきたら、
蚕にも良くないので(湿気がある程度必要なので)
葉を、上から足します。
そのために、余分に取った桑の葉は
乾燥しないように、ビニール袋に入れて保管しておきます。
毛蚕も、もう食べ始めています。
蚕の上に葉をのせるので、蚕は、葉の裏から食べ始めます。
桑の葉を裏返してみると、もう、たくさんの毛蚕が
くっついています。
匂いで分かるのかな?ととても不思議です。
生まれた蚕の赤ちゃんを、動画で見てください。
5月12日夜11時
生まれて1日半。夜11時。
旺盛な食欲です。葉っぱは穴だらけ。
すでに、一回目の脱皮を終えているようです。←これは間違いでした¡!
5mmぐらいになっています。
白っぽくなり、頭が大きくなってきています。
葉の間で食べている蚕
葉っぱが乾燥してきたら、その上に葉を重ねます。
乾燥した葉を、捨てる必要はありません。
もしかしたら蚕の赤ちゃんが、
葉の間にいるかもしれないからです。
まだ、当分の間、葉を上から重ねていくだけで、大丈夫。
糞も、気にする必要はなく、
1日に2回ほど(朝と夜)葉を入れるだけです。
5月14日夜10時
成長するお蚕さま
たった2日しかたっていませんが、
かなり頭と体の大きさと色が違ってきました。
頭の方が、ちょっと大きめで、白っぽい。
よく体を動かしながら、桑の葉を食べています。
1日に桑の葉は、2回ほどではなく、
もう少し回数が増えます。
葉が、穴だらけになってくるので、食べ終わりそうだったら、
また、上から足してやります。
5月16日夜10時
ずいぶん大きくなりました。
14日よりも少し拡大してありますが、
それでも、大きくなりました。
1回目の脱皮は済んだようです。
脱皮した皮は見えません。
たぶん、下の方の干からびてしまった桑の葉の間に
残っていると思います。
まだまだ、葉を上にのせるだけでいいです。
お掃除は必要ありません。
5月18日朝9時
大きくなりました
やっと、カメラのズームに入って、
ピントが合うようになってきました。
大きさは、約7~8ミリくらいです。
朝・夕、ものすごい食欲です。
朝、起きてみると、桑の葉っぱは穴だらけ、
葉も少ししんなりしてきています。
桑の葉を食べながら、蚕は上に登ってくるのです。
だから、まるで、サンドイッチのようになって、
葉っぱの間あいだに、蚕がいます。
桑の葉を、蚕の上にのせてやるだけでいいのです。
一週間たったので、一番下の干からびた葉っぱは、
毛蚕がいないのをよく見ながら、確かめて捨てました。→訂正です。
桑の葉をのせたところ
下に、白くシラスのように見えるのが、蚕。
何しろ千匹ですので、うじゃうじゃいます。
桑の葉をのせるのですが、これは写真用。
実際は、下の蚕が見えないくらい、どっさりのせてやります。
もし、雨でぬれていたら、タオルで、ふき取ってから
あげてください。湿気は必要ですが、
直接の雨の水分は良くないようです。
そして、箱のふたを閉めておきます。
蚕のうんち
お蚕さまのうんちは、
お蚕自身がまだまだ小さいので、粉のようです。
箱の底に落ちています。
ちょうど箱の底に落ちてしまったお蚕と
比べてみてください。
点々の粒粒がそれです。
ふんと、卵の抜け殻
箱の底には、ふんがたまっていますが、
さらさらとした粉のようです。
その上の真っ白い円形のものが、
卵の抜け殻です。
まだ、まだ、糞を始末する必要はありません。
湿気もありませんし、糞の始末の途中で、
毛蚕のような小さな蚕を捨ててしまいそうになるからです。
エサをどんどん足してやるだけで十分です。
生まれて一週間、少し成長したお蚕です。動画でどうぞ 旺盛に桑の葉を食べています。
5月21日夜11時
1cm超えました。
蚕らしい姿になってきましたね。
3日たっただけで、1,3cmあります。
しぐさも、頭を持ち上げて、
しばらく停止する様子も、よくあるしぐさです。
私は、かわいらしいと思いますが、どうでしょうか?
右下の葉っぱの穴は、食べた穴、
その横の小さい黒い点は、穴ではなくて、糞です。
糞も、大きくなってきて、粉のようではなくなってきました。
これが糞です。
蚕の模様も、よく見えるようになってきました。
もう少し大きくなってくると、
箱を変え、いくつもに分ける必要が出てきます。
過密状態で、飼っていると、
病気にもなりやすくなります。
要注意です。
5月23日夜10時
大きく大きくなっていきます。
今日の大きさは2cmを超えました。
この写真でわかるように、
お蚕は、葉脈だけを食べ残し、葉っぱをみな食べます。
だから、お蚕が乗っている上は、
葉脈だけのベッドのような感じです。
ちょっとふかふか。
まだ、朝夕2回ずつでいいのですが、
とにかくたくさん数がいるので、桑の葉がたくさんいります。
桑の葉
桑の木と、お蚕も、不思議な関係です。
そうやって、人間が育ててきたといえば
その通りでしょうけれど、
お蚕に合わせて、桑の木の葉もたくさん増え、
形も大きくなります。
上は大きいほうのは手のひらサイズ。下は、小さい方の葉。
どちらかと言えば、逆でしたね。桑の葉の芽吹きに合わせて、
毛蚕が生まれるように計算したのでした。
5月25日
フンの後始末
そろそろ、箱にたまったフンを、毎日捨てる必要が出てきます。
そのままにしておくと、よけいな水分で、病気になりやすくなります。
新しい葉もどんどんやる必要が出てきますし、
朝・昼・夜と3回になってきて、
たくさん葉も入る箱に替えてやっていきます。
フンの後始末は下の動画で見てください。
重要なことを書き忘れました。生き物なので、毎日家→学校→家と、
連れて帰ります。それが、ちょっと大変です。
フンの後始末のようすは動画でどうぞ。
桑の葉の保存
桑の葉は、1日3回取りに行くのは大変なので、
取りに行った葉は、乾燥しないように、
ビニール袋に入れて、密封しておきます。
それでも、毎日1回は取りに行かないといけません。
2~3日分をためておこうとしても、
蚕が新鮮な葉でないと食べてくれませんし、
元気に育ちません。雨でぬれた時には、
葉をよく拭いてあげて与えます。
5月27日夕方5時
白さが増してきたお蚕
模様も、両脇に斑点のような模様が、
三か所ぐらいに分かれてきます。
三回脱皮を終えたお蚕。
大きいものは4cmに達する勢い。
小さい物でも3cmを超えています。
朝・昼・夕・夜・・・4回ほど、たっぷりやります。
箱は、密集してくるので、変えます。
いくつかの箱に分けて育て始めます。
抜け殻
三回目の脱皮をした抜け殻。
そのたびに大きくなり、
たくましくモリモリ食べるようになります。
抜け殻は、下の方の葉の間に残っています。
ぜひ、さがしてみてください。
箱替え
箱を変えて、すみやすくしたところ。
大きな箱に変えて、葉っぱもたくさんやれるようにします。
箱替えの時の重要点は、移す時に、
葉の間に隠れているお蚕を、捨てないようにすること。
だんだん糞が水けを帯びてくるので、
これからは、糞の始末も必要になってきます。
下に敷く新聞紙を、時々替えてやります。上の動画でどうぞ。
5月29日 夜10時半
模様がはっきりしてきます。
白さが増し、模様もはっきりしてきます。
頭を盛んに動かし、桑の葉を探しています。
口もはっきりわかるようになってきて、どちらが頭か
どちらが尻尾の方か区別がすぐにわかるようになります。
旺盛な食欲です。
手のりお蚕さま
手にのせても、もう大丈夫です。
ぷよぷよして、やわらかい感じ、
頭を動かすのがかわいらしい。
虫が嫌いな子は苦手ですが、
そうでない子は、名前をつけたくなるぐらい、
かわいいと言います。
あともう少しで繭を作りますね。、
ここで重要事項を記述するのを忘れていました。
小学生で、理科などで各子どもが、飼育する場合にどうしたらいいか・・・・・
①卵の段階から、10個くらいの卵を預け、毎日家に持ち帰らせて観察させます。小さな紙箱利用。
②卵から生まれたら、5匹程度に減らして、ずっと飼育させます。
③今回の場合は、学校に桑畑(桑の木が10本ほど)あるので、そこの桑の葉を
朝・夕と、蚕に与えさせます。
④毎日持ち帰らせるのは、観察のためですが、大きくなってきた場合は、
夜に与える分の桑の葉をビニール袋に密封して持ち帰るか、
近所の桑の木を探すかして、与えるようにと言っておきます。
⑤最後まで面倒を見させて、繭をつくらせ、交尾して卵を産むまで、各自で小3でがんばってやります。

筆者:ベテランよしみ先生
5月8日